自然金のお手入れについて

自然金のお手入れ方法は?

自然金は洗えるの?
ジュエリーのように磨けるの?
お持ちの自然金を綺麗にしていただくには、この方法が一番お勧めです。
 
 
 

自然金が曇ってきた・輝きが鈍ってきたときは

ほとんど劣化しない金という素材ですが、指輪などの貴金属・ジュエリーと同様に、少し表面が曇ってくることがあります。
入手した時より輝きが鈍っているように感じる。
入手した時点で曇っているようなくすんだ色合いをしている。
経年また触ることによっても、表面の色合いはわずかながら変わってきます。

そんな時には、ご家庭にあるもので簡単に洗浄、輝きを取り戻せます。
ここでご紹介する方法なら、自然金の形を損なわず、表面を綺麗にすることができます。
 
 
 

自然金の輝きを取り戻そう

ご用意いただく物
 
①重曹・ベーキングソーダ(※ベーキングパウダーではありません)
②お酢(食用酢でかまいません)
③小さめのコップ
④水

重曹・ベーキングソーダ
当方、オーストラリアですので、お分かりいただきにくいのですが、ケーキやビスケット作りに使われる、スーパーでご購入頂ける普通の食用の重曹・ベーキングソーダです。
ベーキングパウダーとは違いますので、ご購入の際にお気を付けください。

食用酢
酢も食用に市販されているもので、値段の安い・高いは関係ありません。

 
 

手順①

洗浄する自然金の大きさに見合う、小さめのコップに自然金を入れます。
コップの中に入れた自然金

自然金を覆うくらいの量の重曹をコップに入れていきます。
重曹を自然金の入っているコップに入れる

重曹の量は、多くてもかまいませんし、あとから水を入れる時に足してもかまいません。
コップのサイズは大きくても構いませんが、使用する重曹や酢の量が多くなってしまいます。
自然金の上に重曹をたっぷりと

 
 

手順②

ごくわずかな量の水を注いで、重曹が少し固めのペースト状になるようにします。
少量の水を重曹にそそぐ

固さ自体はあまり気にする必要はありませんので、自然金を覆うことができるくらいで、水っぽくなければ問題ありません。
ペースト状の重曹をまとわせた自然金

そのまま10分ほど放置します。
この写真のように、重曹のペーストの中に埋め込んでも構いません。
時間は10分より長くても、金自体が溶けることはありませんので問題はなく、自然金の周りや表面の汚れにしみこませるようなイメージです。
自然金を重曹のペーストに埋め込む

 
 

手順③

コップの中に、少量の酢を注いでいきます。
吹きこぼれる可能性がありますので、台所や洗面台など、水がこぼれても良い場所で作業をしてください。
重曹と酢が反応して泡が出始める

酢を入れると、入れた途端に小さな泡が一気に発生します。
重曹の量・酢の量が多いと、泡がコップから溢れますが、こぼれても問題はありません。
入れる酢が多いと大量の泡が発生

そのまましばらく待って、泡が落ち着いて収まっていくのを待っても良し、もしくは酢の上澄み部分を捨てて、新しい酢を入れると、重曹が残っているので、また同じように泡が発生します。
重曹の泡に覆われる自然金

何度酢を入れるか、どの程度の時間をかけるのか、このあたりも特に気にして頂く必要はありません。
繊細な部分や脆い部分が無い、形の崩れない自然金であれば、スプーンやお箸などで、クルクルかき混ぜても構いません。
脆いものであれば、漬け置き洗いのように、自然金にできるだけ触らないようにしてください。

泡が出なくなる、もしくはこれで十分と感じられる程度で、自然金を取り出して、水で洗い流してください。
重曹のぬめりが残っていますので、綺麗に水洗いをして、自然金を乾かせて完了です。
見比べて頂くと、洗浄前よりも明らかに輝きが増しているはずです。

 

念のため

作業が終わったら、コップの中を洗い流す前に、小さな金の粒が落ちていないか確認してみてください。
隙間に入っていた小さな粒の砂金、自然金の破片などが、コップの底に残っていることがあります。
洗い終わったコップの底をチェック
今回は金は落ちていませんが、内側の汚れが落ちていることがわかります。
同じような状態で、金の粒が落ちることがあります。

 

ご注意

この洗浄方法は、金自体が詰まっている、形としてしっかりとしていて壊れにくいもの、脆くないものにだけお勧めする方法です。
砂金状の粒が集まったような作り、フレーク状になっているもの、土や砂を含むものなどにはお勧めできません。

砂金状・フレーク状のものは、洗浄の際に一部が落ちてしまう可能性があります。
また土や砂を含む場合は、その部分に水が浸透することで、土・砂部分が抜け落ちる可能性があります。
石英も同様で、石英の粒の大きさ、金との食いつき具合によって、洗浄の際に取れてしまう可能性がありますのでご注意ください。

自然金の中に見える複雑な石英の粒
上の写真の自然金には、複雑な形の小さな粒の石英が見えます。
軽い洗浄であれば、おそらく落ちないと思われますが、確実ではない状態です。

石英にしっかりと食いついた自然金
触ってもまったく動かない、しっかりと食いついた自然金。
触って動かないくらいであれば、洗浄でもまず落ちることはありません。

 
 
 

自然金は磨けない

貴金属のように、自然金も磨けないものか?と思われませんか?

結果から言えば「磨けます」。
ただし、自然金らしくなくなってしまってもよければ。という条件が付きます。
金自体は硬度として柔らかいもので、ジュエリーのようにバフ掛けをするような磨き方をすれば、あっという間に表面がつるつるになってしまいます。

 

複雑な形の自然金は、研磨用の布などが簡単に引っかかってしまうため、磨くことはできません。
表面が平らに近ければ、磨くことはできますが、磨くとわずかながらでも表面は丸まっていきますし、自然金の「らしい」色合いが失われてしまいます。
よほど脆い形でなければ、上記の洗浄という方法を試していただくことをお勧めします。

 
 

自然金を磨くとどうなる?

この写真は、採掘家の方が意図的に磨いた1点。
磨くと自然金らしい角や表面の粗さが取れ、つるつるの光沢ある表面になります。
このような形を精製された金から作るのは難しいため、このような雰囲気がお好きな方は磨かれるのも1つの手です。

磨かれた自然金

 
 
 
土中から見つかる天然の自然金に含まれている、土や砂などはもちろん、石英や鉄などの不純物や異物。
薬品を使って溶かす方法などもご紹介しています。こちらのページから。

【 自然金の異物除去方法 】